17時成田発。
太平洋を越え、グランドキャニオンを眼下に臨み、15時間の空の旅の末にメキシコシティに降り立つ。メキシコシティは山に囲まれたグリッド状の都市圏で、形は京都みたいだが、規模は東京圏に近い。山並み、田園、郊外の上を滑空し、平面的過密の都心部に敷かれた空港に突っ込む。
一緒にメキシコで1年間を過ごす人たちは、文化人類学の立場から原住民研究をしたい阪大の大学院生や、農業経済を研究しながら英語とスペイン語を話せるようになって国際貢献したい慶応の大学院生や、メキシコのサッカー教育を身を以て知りたい筑波の大学院生、人生のバカンスを楽しむ国家公務員、就職内定を蹴ってフェルナンド・ロメオの手伝いをするフリーター、青年海外協力隊でパラグアイの子供に音楽を教えていたお姉さん、恋人に人生を振り回されながらも歌手を目指すゲイのお兄さんなどなどなど49名。