









All images:(c)Taller de Arte y Arquitectura México-Japón
メキシコはチアパス州にあるコーヒー農園は100年ほど前にドイツ人商家に送られた移民が開墾した。当時は最初の日墨移民である榎本移民団35人もコーヒー農園の開墾に従事したが、栽培に不向きな土地をあてがわれ苦難の末失敗に終わったという。ドイツ人の農園は開墾に成功し、現在は主にグアテマラ移民の手によって維持されている。こんにちではチアパス産のオーガニックコーヒーは価値づけられて、メキシコのみならず世界で流通している。
このプロジェクトはこうしたコーヒー農園の季節労働移民のための住宅のプロジェクト。40戸の単身者向け住宅と12戸の家族向け住宅が、現地の材料で作ることのできる版築と竹の壁でできていて、すべての材料は特別なものでなく、メキシコ特有の盗難の対象にはならない。また、反復して増築あるいは新築が可能なシステムを提案している。個々の単位が編み合わさるようにして一つの全体を構成していて、個人に所有される住戸の形と、農園に所有される住棟の形がある。年間3000ミリを越える驚異的な降雨を受け止め、風を通す乾いた環境を得るための形をしており、環境に対してパッシブな形が同時にフィンカ入口のランドマークとなっている。
ここ数ヶ月の事務所での作業の集大成である。