





8月24日から、模型製作のさなか語学学校CEPEが始まる。学校とアトリエでの二重生活。平日はまだ暗い6時半に起き、授業は爽やかに朝8時に始まる。午後からアトリエに向かい、夜10時までの作業。白い模型に徹底的にテクスチャを貼り込んでいくと、存在の重心が空間から物質へと移っていく。ルフェーブルの言を借りれば、空間の表象から表象の空間へ。1/20の濃密な現実感。メキシコ人の生活の物語が織り込まれた家具や建具や小物が入ると、建築は生活に包含される。生活を描き出すのは大変な作業だが、タロウ/ミホさんのメキシコ人生活への愛情と僕ら日本人移民の労働力によって、生活が着々と浮かび上がってきた。
模型製作という手法によるドキュメンテーションは搬入日当日まで続いた。アトリエ徹夜作業からタクシーで学校へ行き、アトリエへ戻るなんていう強行スケジュールもあった。
国立人類学博物館の裏口から企画展示室へ入ると、翌日のオープンにもかかわらずいまだ内装工事中。模型を囲うガラスケースは現場合わせで作るという。さすがメキシコ。
9月3日夜オープニング。遅い時間にもかかわらず多くの来場者で入口が溢れかえる。他の出展は平面的な展示やインスタレーション的なものがほとんどであるなか、建築の手法で精密に作りこんだタロウ事務所の模型は、一見小ぎれいな印象の奥から日本人の手の狂気を発する。展覧会期間は1月末まで。途中で壊れないか心配なほどの長期間開催である。