2009/08/17

tacubaya郊外のdreamhouse
リスボントリエンナーレの展示
模型のためのエスキース
All images:(c)Taller de Arte y Arquitectura México-Japón
とあるメキシコ人は言った。
アメリカは夢を見ることができる国だけど、メキシコは夢を実現できる国だ。

dreamhouseは建築により実現される夢である。
貧困層のメキシコ人は仕事を求めて移民としてアメリカに渡り、懸命な労働で得た報酬は故郷で彼らの夢をかなえる。彼らの夢は豊かな家の建設である。アメリカの雑誌から建築手法を得て帰ってきたメキシコ人は、アメリカンなメキシコの家を建てる。メキシコ在来の住宅には似ず、メキシコの地に唐突に立上がり、メキシコのライフスタイルからずれたアメリカンな家が、彼らのdreamhouseである。タロウさんは移民問題を建築の視座から語るために、dramhouseの住人へのインタビューと、調査で抽出されたdreamhouseの模型を表現としている。
今は国立人類学博物館での9月の展示に向けて、新しい模型を製作中。メキシコシティの町中で採集したアメリカンハウスの立面をブリコラージュして、dreamhouseの模型を立ち上げる。既製のスタイルを適用した家を、さらに編集して作られる家は、まさにレディ・メイド。ミホさんの傾倒するマルセル・デュシャンの打ち立てた概念である。イコニックな要素で立面を構成するところはポストモダニズムと共通するが、ポモが非現実な記号の世界を写像するにとどまったのに対しdreamhouseが背負う意味の世界は現実の社会に根を下ろしている。